アミロースのコンホメーション解析用コンピュータプログラム(農芸化学部門)
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概要
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アミロース鎖のコンホメーション解析のためのコンピュータプログラムをフォートラン言語で作成した。全体は, 6個の主プログラムから構成されている。その第Iのプログラムは, α-D-maltoseの原子座標をmaltose関連化合物の中性子線あるいはX線解析データから求めるためのものである。第IIのプログラムは, 半経験的なエネルギー関数を用いてα-D-maltoseのコンホメーションエネルギーを求めるためのものである。このプログラムは, エネルギーを等高線地図として表示する機能及び, 各コンホメーションの存在確立を求める機能を有している。第IIIのプログラムは, モンテカルロ法によって, 各コンホメーションの存在確立に従ってアミロース鎖を生成し, さらに生成アミロースのコンホメーションの特性を表わす各種パラメータを算出するためのものである。出力は, 分子鎖の末端間距離の分布を表わすヒストグラム及び, 特性比等である。代表的なモンテカルロ鎖のグラフィックディスプレイへの表示は, 他のプログラム(第Vのプログラム)を用いてなされる。第IVのプログラムは, 高分子統計力学を基礎とした解析的方法によって, 分子鎖のコンホメーションの平均を表わすパラメータを算出するものである。出力は, 特性比, 平均持続ベクトルの座標及び, 持続長等である。最後(第VI)のプログラムは, アミロース鎖の排除体積効果を計算するためのものである。効率的に摂動鎖を生成するために, WallとErpenbeckの方法を用いた。互いのプログラムは, オンラインで連続でき, データの再入力の必要がない様に設計されている。上記のプログラム群は, 他の多糖のコンホメーションの理論的解析に対しても応用できるものである。
- 京都府立大学の論文
- 1984-11-15
著者
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北村 進一
京都府立大学農学部
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中田 靖
京都府立大学農学部天然高分子化学研究室
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岡本 高洋
京都府立大学農学部天然高分子化学研究室
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久下 喬
京都府立大学生活科学部応用化学研究室
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林 武
京都府立大学農学部天然高分子化学研究室
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恒川 行康
京都府立大学農学部天然高分子化学研究室
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