球送り行動からみた対人行動の発達的研究 : 脳性マヒ児・ろう児・普通児の比較検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
台らの方法に準拠して,普通児,ろう児,CP児の年令の増加に伴なう発達的変化およびそれら三群の比較検討を目的として,球送りを施行して実験を行なった。その結果,指標をエントロピー,再帰回数に求めたところ,一見単純な球送り行動の中にも発達過程がみられることが認められた。そして,ろう小2,CP小2の再帰回数は乱数表から得られた結果と同様な分布を示した。しかしこの場合,再帰回数は類似しているがエントロピーは,全く異っており必ずしも乱数的でないことがわかった。さらに,エントロピーの低さや再帰回数のモードが集団サイズより,かなり小さいのは他者への認知の狭さなのか,あるいは行動選択の狭さなのかは,今後検討すべき点として残された。
- 九州大谷短期大学の論文
- 1975-09-01