特異性課題の学習における教示の効果
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概要
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本実験の目的は,知覚性と類概念性という2つの属性を適切媒介次元として取扱った場合,特異性課題の遂行成績はどのように異なってくるかを検討することであった。そのため,まず,原学習として知覚性と概念性が共に適切次元となる冗長特異性課題を与え,さらにその際,後の転移課題で適切となる次元への注意を促す教示と,逆に不適切次元となる次元への注意を促す教示を与え,これらの教示が転移課題の成績にどのような効果をもたらすかが調べられた。被験者は6歳児であった。実験の結果,原学習の冗長特異性課題では,知覚教示をした方が概念教示をした場合よりも成績は優れていた。転移課題においては,知覚的特異性課題の方が概念的特異性課題よりも容易に遂行され(無教示群の比較),知覚的特異性課題では概念教示(不一致教示)と知覚教示(一致教示)の効果はほぼ等しく,概念的特異性課題では概念教示(一致教示)の方が知覚教示(不一致教示)よりも学習を促進する効果が大きかった。これらの結果と,冗長特異性課題,概念的特異性課題,知覚的特異性課題の特異刺激と類似刺激の関係及び類似刺激間の関係についての分析をあわせて,次元への注意ができる否かが特異性課題解決の鍵になるというHouseの考え方が支持された。
- 茨城女子短期大学の論文
- 1990-06-30
茨城女子短期大学 | 論文
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