加熱過程における米粒澱粉の変化について
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概要
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炊飯のよい条件を検討するため,加熱過程における米粒組織中の澱粉粒子の変化を電子顕微鏡下で観察すると共に,崩壊した澱粉粒子より溶出される澱粉成分の挙動を追跡した。1)電子顕微鏡下では,生米の組織細胞中の澱粉粒は石垣状に詰まっているのが観察され,加熱と共に表面組織の澱粉粒から崩れはじめノリ化が進む過程が観察された。しかし,加熱25分糊化度96%の時点においても中心部の粒子は完全には溶解していないことが認められた。2)加熱糊化の過程で溶出される澱粉量は,沸騰時まで漸次増加,沸騰10分で急激に増加し,沸騰15分で最も多く,そして沸騰20分ではむしろ減少していた。3)これらの溶出澱粉中のアミロース量は,溶出上澄部に多く,これらは沸騰5分で急激に増加し,沸騰10〜15分で最大量となった。そして,沸騰20分で減少しているが,これは炊飯完了に伴い飯粒に吸着された可能性を示唆している。本研究の要旨は,昭和61年度,日本調理科学会において報告した。
- 茨城女子短期大学の論文
- 1989-06-30
茨城女子短期大学 | 論文
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