<研究ノート>旅行割引システムのモデル分析
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概要
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本稿では,観光業者と旅行業者による旅行割引システムの導入がお互いの合理的行動の下で可能かどうかを考察し,観光業者と旅行業者の戦略的行動様式を分析する。本稿の主要な結論は次の通りである。観光者が観光財サービスに選好的であり,旅行費がある領域を満たすとき,旅行割引システムはそれぞれの業者により導入を拒否される場合が存在する。これは囚人のジレンマ的状況であり,支配戦略となる。無限回繰り返しゲームを考えると,ある割引因子の下で結託により旅行割引システムを導入することがナッシュ均衡となる場合がある。また,旅行費の増加は,業者間に協調の度合いを強める。逆に,観光者の所得の増加は,囚人のジレンマ的状況を作り出す。逐次的手番ゲームの下でトリガー戦略を仮定すると,割引金額の負担率を先に提示する先手の利得は割引システムの有無に関わらず無差別となり,後手は結託による利得の全て独占することができる。
- 2003-03-10
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