4. INTERPLANETARY GLOW (D. Helio magnetosphere)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
惑星間空間から微弱ながら中性水素(H I L_<y-α> 1216A, 1026A), 中性ヘリウム(He I 584A)或いはヘリウムイオン(He II L_<y-α> 304A)などの真空紫外グローが放出されていることはロケットをもちいた実測と夜間電離層の解析などから予想される。これらの共嗚線は惑星間空間における水素・ヘリウムによる太陽紫外放射の共嗚散乱で説明され, 同時に惑星間空間における太陽風以外の中性原子およびイオンの存在を示唆するものであり, 地球近傍においてともに0.01atom/cm^3程度の密度をもつものと思われる。これら中性原子の発生源として二つのものを考えることができる : (i) 太陽風プロトン・α粒子)と星間中性水素の電荷交換反応(charge exchange)の結果発生する"熱い"中性水素・ヘリウム(Hot component) (ii) 地球近傍に侵入した星間中性水素・ヘリウム(Cold Component) Hotおよびcold componentsは地球近傍に到達するまでにともに太陽紫外線による光電離やCharge exchangeによるイオン化効果を受け, これがまた惑星間空間での太陽系以外のプラズマ発生の原因となり得るであろう。惑星間中性原子密度は太陽風の終端位置の遠近に関連し, 実測の惑星間グロー強度を説明するためには, 太陽風の終端(衝撃前面)は太陽中心から約5 A.U.の位置にあると都合よい。更に, 地球近傍では水素についてはhat componentが, ヘリウムについてはcold componentが卓越する。惑星間中性ガスの存在は太陽系内プラズマにとってつぎのような効果をもつであろう。(i) 太陽風プラズマ電離状態の変質(0^<+5>/0^<+6>比, He^+/He^<++>比の問題) (ii) Heliosphereと星間空間の境界での構造の問題(iii) 光電離による静止プラズマと太陽風プラズマの相互作用による不安定の成長今后のInterplanetary glowの観測の問題点として, (i) L_<y-α> 1216A成分に星間成分が存在するかどうかを確めること。そのために空間分布, 偏光観測をおこなうこと。(ii) He I 584A, He II 304A, HI 1026Aなどについて地球コロナ成分との分離を正確におこなうこと。(iii) 地上観測H_α 6563Aの惑星間成分の有無を確めること。(iv) 太陽風と星間ガスの電荷交換の結果生じる高速中性水素の存在を実測すること。計算上では2×10^5atoms/cm^2/sec程度(エネルギー300eV程度)あると予想される。
- 核融合科学研究所の論文