生態指標としての浮遊性有孔虫同位体比成長履歴
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概要
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浮遊性有孔虫は方解石の殻体を形成し,豊富な化石記録を有することから,殻体化学組成を用いた古海洋や古生態の代理指標開発が古くから行われてきた.中でも炭素・酸素安定同位体は,浮遊性有孔虫の生態を反映した挙動を示すことから,古生態代理指標としての有用性も高い.また,その同位体比(δ13C,δ18O)の成長履歴には,生息深度変化や共生生態という種の詳細な生態情報が記録されると考えられるが,従来では個体サイズを成長段階とみなす手法がとられ,成長段階以外にサイズに影響を与える様々な要因(季節性や水塊の違い)を考慮できていなかった.そこで本研究では,「1個体の成長履歴」に着目し,より厳密な個体の成長プロファイルから生態情報を引き出すことを試み,かつ個体の生息する水柱の物理・化学プロファイルと比較することで,殻体に記録された生態情報を,その個体が生きた現場環境の情報と合わせて検証した.
- 日本地球化学会の論文
- 2013-09-05
著者
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