欠損補綴の抱えるリスクファクター
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
欠損補綴を考えるとき欠損が何に起因するかを探ることは, 診断の最重要項目である.<BR>歯科の二大疾患は齲蝕と歯周病であり, これら二つの要因は歯を侵襲して崩壊させる最大のリスクファクターと位置づけられてきた. 当然のことながら欠損の成立は歯が失われることで起こる. 喪失の原因は患者それぞれに多様であるが, 既往歴から齲蝕によるものか歯周病によるものかなど, 過去の疾病傾向を把握しておくことは, 治療後の罹患傾向を推測できる点で有意義なことである. しかし多くの臨床例を経年的に観察していると, 喪失理由をこれらの疾患だけに限定するのは早計であると思われる. 一方「噛む」という行為において大きな力がだせるほど丈夫で健全な歯であるとする「健康感」が歯科医師にも患者にも定着している. つまり歯は大きな咬合力に耐えられるものだと誤解されてきた. 欠損補綴の崩壊が, 支台歯の弱体化や支台歯にかかる負荷の増大, あるいは選択した補綴維持装置の機構的要因に影響されるなど, 経年的な環境変化に加えて強すぎる咬合力やパラファンクションの存在を示唆する現症を多く経験している. このことは歯の喪失原因として「力」という要因を加える必要があるということであり, 力のありようが欠損補綴にとって大きなリスクファクターになっていると考えられる. 欠損歯列の生起にも, その後の欠損補綴の寿命にも大きく関わっていると考えられる力の臨床症状は齲蝕や歯周病のような細菌感染とは異なるために, 全く違った病態像として読み解かなくてはならないのである.
- 2007-04-10
著者
関連論文
- 湯通し塩蔵ワカメおよびコンブの高速塩漬方法の開発
- サボテングサ2種のポリフェノール類の含量
- ラグランジュ的な粒子速度の関係を用いた2粒子対確率過程モデルによる変動スカラ場の数値シミュレーション
- 減衰する一様乱流中における変動スカラ場の確率過程モデルによる数値シミュレーション
- 2粒子対確率過程モデルによる変動スカラ場の数値シミュレーション
- 輪島産素干しツルモChorda filumの水洗いによる成分の変化
- ラットに投与した粘度の異なるアルギン酸塩の消化率およびその脂質代謝への影響
- 海藻中の水溶性および不溶性食物繊維による抱合型胆汁酸塩の吸着(短報)
- ラットに投与した超微粒化海藻粉末の消化率およびその脂質代謝への影響
- 海藻食品における水溶性及び不溶性食物繊維の測定法と分布
- 海藻食品に含まれる食物繊維の加工による変化とその栄養学的役割
- 生ワカメの貯蔵条件による成分変化
- アカモクの加熱によるミネラル, 遊離アミノ酸および脂肪酸の変化
- 缶無菌充填および熱間充填での酸素含有量の違いによるモデル液のL-アスコルビン酸の変化
- 緑茶飲料缶詰の品質に及ぼす殺菌製造条件の影響
- 離散化数値解法のための並列計算プラットフォーム(Parallel Computing Platform/PCP)Ver1.2(OS17d 次世代CAD/CAE)
- 648 離散化数値解法のための並列計算プラットフォーム (Parallel Computing Platform/PCP) Ver1.0
- 647 安定化気泡関数有限要素法を用いた実問題における気液二相流解析
- 305 安定化気泡関数有限要素法を用いた熱流体-構造強連成解析
- 810 フーリエモードとラグランジュ的分子混合モデルによる反応性乱流混合層の数値シミュレーション
- ランダムフーリエモード法によるプルーム変動スカラー場の数値シミュレーション : 波数分割の影響の評価
- ランダムフーリエモード法によるプルーム変動スカラー場の数値シミュレーション
- 低温材料力学物性を利用した凍結魚の加工技術に関する研究
- 海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究
- 食物繊維のエネルギー値
- 海藻食物繊維
- 座談会 臨床研究と臨床疫学
- 講演 開業歯科医の立場から 家庭医からかかりつけ歯科医へ (平成12年度社会保険指導者研修会) -- (治療計画立案から継続的な管理へ)
- 咬合,その臨床像と治療
- 第 60 回 IFT 総会
- 放送型ネットワークにおける通信エラーの対処方式(マルチメディアコミュニケーションシステム)
- 3S-04 放送型ネットワークにおける通信エラーの対処方式 : 実プロキシーを用いた評価
- 放送型ネットワークにおける通信エラーの対処方式の評価
- 欠損補綴の抱えるリスクファクター
- 経過から学ぶ欠損補綴の診断とマネージメント
- なぜ,歯科臨床で咬合器が必要なのか (特集 咬合器を臨床で活用しよう! : 半調節性咬合器による臨床応用のヒント)
- プライムフィル(日本の製品)