ウシ初期胚の体外培養
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概要
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安定して高い発生率が得られるウシ初期胚の培養系を確立することを目的として,ウシ体外成熟・体外受精卵の胚盤胞への発生に及ぼす卵管上皮細胞(BOET)との共培養,培養液への血清(FCS)添加,培養気相中の酸素濃度,培養液の水質,培養液の種類および培養液へのグルコース添加の影響について検討した.得られた結果は以下の通りである.1)ウシ初期胚とBOETとの共培養に血清添加は必要ない.2)共培養におけるBOETの発生促進作用の一つは,培養液中の酸素濃度を低下させることである.低酸素濃度(5%)環境は,共培養を用いないウシ胚の培養において,胚盤胞への発生を促進する.3)蛋白・細胞無添加培養におけるウシ初期胚の発生は培養液の水質に影響されており,超純水レベルの高い精製度の水(Milli-Q水)が必要である.4)蛋白・細胞無添加培養における胚盤胞への発生率は,m-SOFを用いた場合に47%と,m-TCM199(31%)より高かった.5)発生および受精培養液中の高濃度のグルコース(5.6 mMあるいは13.9 mM)は,胚発生を抑制する.以上により,培養気相中の酸素濃度を低下させ,低グルコ-ス濃度の培養液を用い,培養液作製に高純度の水を使用することで,共培養や蛋白の添加を行うことなく,ウシ1細胞期胚を効率的に胚盤胞期へ発生させることが可能となった.
- 日本繁殖生物学会の論文
- 1995-06-01
著者
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星 雅樹
雪印乳業生物科学研究所
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長尾 慶和
現:宇都宮大学農学部附属農場
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永井 政僖
雪印乳業(株)受精卵移植研究所
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長尾 慶和
雪印乳業(株)受精卵移殖研究所
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佐伯 和弘
雪印乳業(株)受精卵移植研究所
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星 雅樹
雪印乳業(株)生物科学研究所
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