加圧熱水処理型ジェットミルによるセルロース系バイオマス資源の連続粉砕
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概要
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食糧と競合しないスギなどのセルロース系バイオマス資源から糖化酵素を利用してバイオエタノールを効率よく生産するための前処理方法を開発した.本方法は高圧湿式粉砕機(湿式ジェットミル)を用い,その上流側の配管の一部を加熱することにより,分解が困難なセルロースの粉砕を,高温高圧下で行うものである.リグニンを含まない結晶性セルロース(セオラスTG,旭化成(株))およびリグニンを含む国産のスギに適用したところ,453 K(180°C)の加熱条件下では,加温しない場合と比べて平均粒子径が小さくなり,電子顕微鏡観察でいずれも繊維状に粉砕されたことがわかった.この試料を使ってセルラーゼとヘミセルラーゼによる酵素分解を実施した.処理時間と処理温度を変えた試料で酵素処理した結果,いずれの温度でもセオラスの分解率は向上し,特に423 K(150°C)以上での粉砕処理を行った試料の酵素分解率が大きくなった.スギを453 Kで約110 h処理した場合,ホロセルロース分解率は,未加熱の場合と比較して453 K処理により約2倍に,α-セルロース分解率は3倍以上に増加した.
- 2010-07-20
著者
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