カルシウム系固体吸収材によるフロン分解ガスの低温反応特性

概要

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我が国にとって貴重な資源であるフッ素を，カルシウム吸収材を用いて排ガス中から乾式で再資源化する技術を開発している．カルシウム吸収材の種類，粒径，反応温度をパラメータとして，フロン分解ガスと低温で気固反応させる時の反応特性を調べた．HF濃度が約30%，HCl濃度が約15%の反応ガスをHCFC22の熱分解により得た．吸収材の粒径は1–2 mm，2–4 mmの2種類を用い，反応温度を473–673 Kの範囲で変化させた．この場合の空塔速度は4–6 cm/s，空間速度（SV）は1600–2300 h−1の範囲となる．各反応条件に対する炭酸カルシウムと酸化カルシウムのフッ素回収率は各吸収材の反応特性に大きく依存し，CO2の発生を伴うフッ素化反応による細孔の形成が高純度化に大きく寄与していることが示唆された．このため，吸収材として粒径1–2 mmの炭酸カルシウムを用いた場合にフッ素回収率として95%以上を達成した．一方，酸化カルシウムを用いた場合のフッ素回収率は最大でも80%程度となった．
2009-11-20