沖縄県久米島海洋深層水の多元素プロファイリングアナリシスと微量元素濃度及び存在状態の特徴
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概要
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沖縄県久米島海洋深層水及び表層水を,キレートディスク濃縮法と水酸化ランタン共沈法を併用した誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)法と誘導結合プラズマ発光分析(ICP-AES)法により,主成分及び微量元素の多元素定量を行った.この結果,いずれの試料についても主成分を含めた16元素について% からppt(ng L−1)の濃度範囲で定量値が得られた.分析結果をもとに多元素プロファイリングアナリシスを行ったところ,海洋深層水中微量元素濃度について,Cd,Zn,Ni,Cu,Coが表層水よりも高い濃度で含まれることが明らかとなった.また,溶存態濃度と全濃度から酸可溶粒子態割合(Pacid)を求めた結果,海洋深層水のCu,Co,Zn,NiのPacidは10〜30% でいずれも表層水より高い割合であるのに対し,CdのPacidは10% 以下で表層水とほとんど変わらなかった.このことから,Cu,Co,Zn,Niの一部は,海洋深層水(水深612 m)中では表層水とは化学形態もやや異なり,酸に可溶な生物起源粒子(デトリタスや有機・無機複合コロイド粒子)中に比較的多く含まれると推察される.これに対して,Cdはほとんどが溶存態として存在することが示唆された.
- 2009-08-05
著者
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新垣 輝生
琉球大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修
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石垣 輝幸
琉球大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修
-
山口 真実
琉球大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修
-
伊藤 彰英
琉球大学教育学部理科教育講座
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石垣 輝幸
琉球大学教育学部理科教育講座
-
伊藤 彰英
琉球大学教育学部
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