豚糞モミガラ堆肥への消石灰添加がもたらす有機物分解促進効果とデタージェント分析による効果の検証
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概要
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堆肥化過程における有機物分解をデタージェント分析の手法を用いて評価することが可能か検討した.試験材料には消石灰を添加した豚糞モミガラ堆肥を用いた.堆肥化過程の細胞内容物質(OCC),酸性デタージェント繊維(ADF),中性デタージェント繊維(NDF),NDF-ADF,酸性デタージェントリグニン(ADL),中性デタージェントリグニン(NDL)の含有率および分解率について調べた.消石灰添加によってリグニンや繊維成分が減少し,分解率の高い分画に移行した.消石灰添加は12ヵ月間で分解可能な有機物の総量を増加させないが,分解速度を速める効果があった.NDF-ADFは2週後に分解が一気に進み,もっとも分解率の高い成分となった.ADLはほとんど分解しなかったが,NDLは少し分解し,NDLとADLの値が逆転した.NDF-ADFおよびNDLは2週目からほぼ同時に分解し始めた.堆肥化過程のリグニン分解を調べるにはNDLが適していた.豚糞のNDF-ADFは4週後にほぼ100%分解したが,モミガラのNDF-ADFは12ヵ月後でも30%程度の分解率であった.豚糞ではADLだけがほとんど分解しなかったが,モミガラではNDF, NDL, ADF, ADLがほとんど分解しなかった.モミガラの酸性デタージェント溶液(AD)可溶有機物は易分解性有機物ではなかった.豚糞モミガラ堆肥についてデタージェント分析を用いて堆肥化過程の有機物分解の特徴について調べることが可能であった.
- 社団法人日本畜産学会の論文
- 2004-11-25
著者
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