透析液中の細菌に対する各種メンブレンフィルター法の測定精度の検討
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概要
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透析液の製造工程管理において,細菌の汚染状態を把握し対策を講じることが,透析患者への悪影響を防ぐために重要である.細菌検出の手段として,高感度に細菌の汚染状態を把握するためにはメンブレンフィルター法(以下,MF法)を用いて検査することが必要である.今回われわれは,MF法製品である日本ポール社製37mmクオリティモニターおよびマイクロファンネルを,R2A/TGE寒天および液体培地使用下にて用いた.標準菌2菌種(Pseudomonas fluorescence, Methylobacterium extorquens)と臨床現場の透析液中から単離された1菌種(Wild type)のそれぞれを透析液中に播種した試験液を用いて,各種MF法における細菌の測定精度を,細菌コロニー数の計測結果を基にして,平板塗抹法(R2A寒天培地)と比較した.その結果,今回用いたMF法製品と培養方法との組み合わせの全てが,基準となるR2A寒天培地上のコロニー数(Pseudomonas fluorescence(59.3cfu/枚),Methylobacterium extorquens(62.5cfu/枚),Wild type(38.6cfu/枚))に対して,細菌回収率に必要な70%以上を上回っており,良好な回収率を得ることが可能であった.今回評価したMF法製品は,各工程の細菌管理に有効なツールとして十分に活用できるものと考えられた.
- 社団法人 日本透析医学会の論文
- 2009-01-28
著者
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井出 孝夫
いでクリニック
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堀内 賢一
日本ポール株式会社
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堀内 賢一
日本ポール(株)ポールライフサイエンスカンパニー応用技術研究所
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楢村 友隆
いでクリニック
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佐藤 和弘
いでクリニック
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吉田 周理
日本ポール(株)ポールライフサイエンスカンパニーバイオメディカル事業部
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