薬理試験における統計解析のQ&A用量依存性データへの非線形モデルの活用
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概要
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薬理学研究において,薬物の薬理学的プロファイルを明らかにするための試験の一つとして,薬物の用量反応試験がある.用量反応試験で得られる用量依存性データは,多くの場合非線形であるが,これに生物学的に意味のある解釈を与えるためには,非線形回帰モデルを用いた解析が大変有効である.最近,JMP,Prismなどの優れた統計解析ソフトウエアが普及し,非線形モデルが広く薬理学研究者にも使われるようになった.しかし,こうした統計解析ソフトを背景理論を理解した上で適切に使用している薬理学研究者は未だ少ないのが現状である.そこで本稿では,薬理学研究者が非線形モデルを正しく理解し適切に利用するための啓発活動の一環として,用量依存性データへの非線形モデルの適用事例をとりあげた.題材としては,動物の内臓痛試験で得られたシグモイド型用量依存性データを用いた.解析では先ずJMPを用い,データにロジスティック曲線をあてはめ,最大反応値,最小反応値,用量反応曲線の勾配および最大反応の半分の反応を示す対数用量の4パラメータについて,最小二乗法による同時推定を行った.次いで,目的の推定値を得るまでの過程の深い理解を支援するため,Excelソルバーを用いてJMPで得られた結果の追加解析を行ったところ,推定値についてはほぼ同一の結果が得られた.本稿の事例を参考に,用量依存性データを統計解析ソフトを用いて解析し,Excelソルバーによる追加解析も併せて行うことにより,非線形回帰分析のより一層深い理解が得られるであろう.
- 2008-10-01
著者
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高橋 行雄
中外製薬(株)生物統計部
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大橋 雅津代
ファイザー(株)中央研究所
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嵜山 陽二郎
Pharmacokinetics Dynamics And Metabolism Sandwich Laboratories Pfizer Limited
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大橋 雅津代
ファイザー株式会社中央研究所 探索研究所生物科学研究統括部
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