低温流動層バイオマスガス化に及ぼす流動媒体の影響
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概要
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木質系バイオマスガス化におけるタール排出量および生成ガス量に関する流動媒体(触媒)の影響を検討するため,流動層による連続ガス化実験を行った.窒素雰囲気および水蒸気雰囲気において杉粒子を873 Kでガス化した.まず,近年研究例の多い活性アルミナとケイ砂を使用したときのガス化特性を比較した.また,同じ活性アルミナを用いバイオマスと活性アルミナの投入速度などの実験条件を変え,排出タール濃度を変化させたときのタール成分およびガス量を測定した.その結果,活性アルミナ使用時のタール排出量はケイ砂使用時と比較して大幅に低減されること,軽質芳香族炭化水素の量はほとんど変化せずより重質のタールの排出が抑えられることがわかった.タール排出量低下は,生成ガスと流動媒体の接触が良好になるほど顕著となった.活性アルミナによるタール捕集に伴って,窒素雰囲気下では水素の発生は起こるものの一酸化炭素および二酸化炭素の生成はほとんど起こってないことが示された.活性アルミナを含む8種類の流動媒体でガス化特性を検討した結果,窒素雰囲気下では発生ガス量にほとんど変化はなかったが,水蒸気雰囲気下ではタール排出量が少ない流動媒体を用いたとき,生成ガス量は増加した.触媒によるタール分解時の水蒸気との反応が起こっていることが示唆された.酸強度や酸量といった触媒の酸性質の側面からタールやガス組成について検討した結果,タール排出量および発生ガス量は触媒の酸量と相関があることがわかった.
- 2007-05-20
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