ATP感受性K^+(K_<ATP>)チャネル制御の機能構造的理解
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概要
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ATP感受性K+チャネル(KATPチャネル)は,細胞内の代謝状態と細胞膜の興奮性を結びつけている内向き整流性K+チャネルである.KATPチャネルは,ABCタンパクファミリーに属するスルフォニルウレア受容体(SUR)と膜2回貫通型のKir6.xからなる,異種八量体(hetero-octamer)構造をとっている.KATPチャネルは,種々のK+チャネル開口薬,阻害薬,あるいは細胞内のヌクレオチドにより,その活性が制御される.これらは全てSURサブユニットに作用点をもっており,SURのサブタイプにより反応が異なる.最近,種々のイオンチャネルやABCトランスポーターの三次元分子構造が明らかにされてきた.これらを基礎として,KATPチャネル制御の構造的機能モデルを我々は提案した.本稿ではこのモデルを中心として種々の薬物やヌクレオチドによるKATPチャネルの活性制御について考察する.
- 2005-11-01
著者
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山田 和彦
信州大学医学部分子薬理学講座
-
倉智 嘉久
大阪大学 大学院医学系研究科 薬理学講座分子細胞薬理学
-
山田 充彦
信州大学医学系研究科 分子薬理学講座
-
倉智 嘉久
千葉大学 大学院 医学研究院 薬理学講座
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