6新種の記載を含むスラウェシ産Cryptomedasina属(シャクガ科, エダシャク亜科)の再検討
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概要
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Cryptomedasina属は, Sulawesiに固有のMedasina vandenberghi Proutを模式種として筆者(Sato, 1995)が創設したもので, あわせて新種C. nagaiiを記載した.♂触角が片櫛歯状(unipectinate)であることが特徴である.その後, 高松市の増井武彦氏のコレクションを中心に同属と思われるSulawesi産の標本を多数調べることができ, nagaiiのparatypeに指定した標本の中にも別種とすべきものが混じていることが分かった.本報では, 6新種を記載するとともに, 再検討の結果を報告した.雌雄交尾器の種による違いは少なく, 種によっては個体変異が顕著に見られるものの, 色彩斑紋や大きさなど外観による差異の方がむしろ種の同定に役立つ.新種: C. aurifascia Sato, C. schnitzleri Sato, C. sampuragensis Sato, C. takehikoi Sato, C. basinigra Sato, C. pulupulensis Sato. Sulawesiの本属は, 既知2種に加え8種となった.いずれも固有種である.なお, Mindanaoから筆者(Sato, 2002)が記載したC. masuii Satoは, ♂触角が両櫛歯状(bipectinate)である点でSulawesiの種と異なるが, 雌雄交尾器の形状は本属の特徴と細部にわたって一致しており, 現在, 同属種として扱っている.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2005-06-20
日本鱗翅学会 | 論文
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