本人の頭部インパルス応答とイヤホン再生による音像の頭外定位距離について(音響信号処理/一般)
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概要
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無響室で計測した本人の頭部インパルス応答(HRIR)を使ってたたみこんだ音をイヤホンで両耳再生聴取するとき, 音像は頭外定位するが期待した距離を感ずるのは困難である.人は生活空間では直接音のほかに反射音を伴った音を聴いて音による距離知覚を行う.そこで本研究ではどのように反射音を伴えば, 頭外定位した音像の距離感を増せるかを調査研究する.定位が明確だと感じている室を選んで, 著者2名の室内HRIRを計測した.また, 無響室で計測した著者の一人のHRIRを用いて虚像法に基づいて作成した仮想室内HRIRも用意した.その応答長を基に, 矩形窓長を順に短く選びながら, 後期反射音部分を切り捨てて, 直接音到来方向毎に複数個のHRIRを得た.これに男性アナウンス音声をたたみこんで試験音を作成し, 多人数の簡単な他者評価と本人による定位評価を行った.その結果, 頭外定位の距離感を増すためにはより後期の反射音までの付加が必要で, そのエネルギーは増加し両耳信号の相互相関の度合いが減少する.また, 直接音部分相当まで応答長を短くすると, その音像は無響室で測定したHRIRでの定位実験と同様の頭部に近い頭外定位距離を示すことがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-05-13
著者
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