ストロークに基づく漢字フォントの構成とその展開の可能性

概要

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本研究では、漢字を表現する新しい体系の構築を提案する。具体的には、「紀フォント」とよぷフォントセットを構築する。これは、既存の文字構造に基づいたフォント生成手法に関する研究を参考に、コード体系までも含めた提案を行うものであり、フォント生成を行う従来研究の利用範囲の拡大を促すものである。この体系の特徴は、可変長コードの日本語コード体系を提案し、任意のあらゆる文字・漢字を、文字数全体の母数の制限なしにコード化可能にすることである。また、漢字がストロークから成り立っているという構造に着目し、その漢字を構成する点画コードを連結することで自然に任意の漢字を表現する。また任意の文字を表現する目的の一方で、現実に全世界的に普及する英語ASCII環境との親和性を考慮し、ASCIIと同じ1バイトの下位ビット空間だけを利用してコード化が行える。その結果、表現されたコードは、ASCIIと同一の8ビットコードが文字ごとに可能となる。フォントの利用システムには、ソフトウエアエンジニアリングにおける構造化の手法を取り入れ、柔軟かつ拡張性のある利用環境を構築する。
一般社団法人情報処理学会の論文
2005-05-27