バイオインフォマティクス
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概要
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分子生命科学におけるバイオインフォマティクスの重要な役割の一つとして,仮説構築(予測)をあげることができる.正確な予測は,研究の迅速化とコストダウンをもたらす.本稿では,バイオインフォマティクスを利用した様々なタンパク質の機能予測について紹介する.タンパク質の機能の解析にあたっては,生化学的機能と生物学的機能を区別する必要がある.生化学的機能とは,酵素活性やリガンド結合能のようなタンパク質自体の属性である.そのため,生化学的機能はタンパク質のアミノ酸配列や立体構造からある程度推測することができる.一方,生物学的機能は高次の生命現象への関与を意味しており,そのような機能は1個のタンパク質ではなく,複数のタンパク質よりなるネットワークによって担われている.そのため,生物学的機能を解析するためには,タンパク質間相互作用の予測が重要な意味を持つ.本稿では,Gタンパク質共役受容体(GPCR)を例にとり,近年行われている機能解析について解説する.生化学的機能の予測については,分子系統樹を利用したリガンド予測を中心に説明する.生物学的機能解析の予測については,GPCRの複合体形成に関する解析を紹介する.我々はアミノ酸配列と立体構造を利用したGPCRの会合面(インターフェイス)の新たな予測法を開発した.この方法を中心に,GPCRのインターフェイス予測について説明する.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2005-03-01
著者
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藤 博幸
九大・生体防御
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藤 博幸
京都大学化学研究所
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藤 博幸
京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター
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根本 航
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
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根本 航
Naist・情報科学・情報生命 : 京大・化研・バイオインフォマティクスセンター
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根本 航
奈良先端科学技術大学院大
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