5. 咀嚼計測による食感評価の試み(<特集>おいしさのスケール確立に向けて)
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概要
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本研究は、咀嚼に伴う生体情報を計測して、その実験結果から食感を評価することを試みた報告である。被験者17名を用いて、6種類の食品に対して咀嚼時の荷重、圧力、音、筋活動を計測し、同時に食感に関する質問紙調査を行なった。結果として、食感における硬さ感は、最大咀嚼圧力と咀嚼音(とりわけ101〜200Hzのパワースペクトルの積分値)が対応していることがわかった。また、食感における付着性は咀嚼筋の活動と比較的よく対応していた。一方、ヒトの最大咀嚼荷重は、今回対象とした食感の3項目(硬さ感、付着性、弾力性)とは対応しておらず、食感を予測するには不適切であることが明らかとなった。一般的な機械的計測で最も簡便に得られる食品の破壊荷重は、硬さ感を推測するには適するが、食感における弾力性や付着性とは対応しなかった。今回の実験から、食感をより適切に表す生体情報は、最大咀嚼圧力、咀嚼筋の活動、咀嚼音であることが示唆された。
- 日本味と匂学会の論文
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