高圧湿式ジェットミルを用いたサブミクロンo/wエマルションの作成
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概要
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従来,エマルションの生成を扱った研究はミクロンサイズの生成滴を対象にしたものが主であり,サブミクロンサイズの液滴からなるエマルションの生成を扱った研究は,最近,高圧ホモジナイザーを利用した研究が何点か報告されているものの少ない.本研究ではサブミクロンサイズの液滴からなるエマルションの作成が可能である高圧湿式ジェットミルを用いて水中油滴型(o/w)エマルションを作成し,平均滴径と操作条件の関係と,生成滴の経時変化を速度論モデルを基に検討した.体積基準の滴径分布は対数正規分布に従い,通過回数を増加させると,微細液滴の増加のため滴径分布は二元分布を示した.通過回数が1回の場合,分散相分率が大きいほどd32は大きくなるが,σgは変わらなかった.全実験条件において個数基準の最大滴径(dmax)はdmax=1.76d32という比例関係が成り立つ.また,低界面活性剤濃度,低分散相分率のときのみd32は処理圧力の約− 0.6乗に比例する.液滴の合一により滴径分布は経時変化を示す.合一過程は二次過程により記述でき,条件により急速な合一と緩慢な合一の二つの過程からなると推測される.高処理圧力,高界面活性剤濃度,低分散相分率および多通過回数の時には緩慢な合一過程のみが認められ,合一速度定数は界面活性剤濃度が高いほど減少し,分散相分率が大きいほど合一速度定数は増加することが明らかとなった.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2003-11-20
著者
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