咀嚼時における筋圧の発現様相 : 上顎第一大臼歯部の頬舌側圧
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概要
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目的: 本研究の目的は, 全部床義歯装着者の咬合高径や配列位置の目標となる正常有歯顎者を対象に, 咀嚼側および非咀嚼側での頬, 舌の動態を, 筋圧の面から明らかにすることである.<BR>方法: 被験者には, 男性正常有歯顎者6名 (平均年齢27.1±0.7歳) を選択した.シート状圧力センサ (カスタムボタンセンサ, ニッタ) を用い, 常温重合レジン製シーネにセンサを固定して口腔内に設置した.板状ガムを咀嚼させ, 上顎左右第一大臼歯頬舌側部に加わる咀嚼時筋圧を測定した.また, 下顎運動も同時測定した.得られた圧発現波形のピーク値およびピークを有する波形の発現数を用い, 頬舌側および咀嚼側, 非咀嚼側における差, 咀嚼の進行に伴う変化について検討した.<BR>結果: 筋圧のピーク値は, 舌側が頬側より有意に大きく, 咀嚼側が非咀嚼側より有意に大きかった.咀嚼側では, 頬舌側ともに咬合相後期から開口相中期間と閉口相中期にピークが多く発現した.咀嚼の進行に伴いピーク値は咀嚼側頬側で有意に大きくなり, ピークの発現数は咀嚼側頬舌側において有意に増加したが, 非咀嚼側では変化しなかった.<BR>結論: 正常有歯顎者において, 咀嚼側では頬と舌が協調して咀嚼が進行していることが, 筋圧の面から示唆された.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2004-04-10
著者
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織田 展輔
岩手医科大学歯学部歯科補綴学第一講座
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織田 展輔
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔機能再構築学系摂食機能回復学講座摂食機能評価学分野
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織田 展輔
岩手医科大学 歯学部歯科補綴学第一講座
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織田 展輔
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 口腔機能再構築学系摂食機能回復学講座 摂食機能評価学分野
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