沖縄島北部やんばる地域の林道と集落におけるネコ(Felis catus)の食性および在来種への影響
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概要
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沖縄島北部やんばる地域におけるノネコ(Felis catus)および集落におけるネコの食性と在来種への影響を把握するために,糞分析による食性調査を実施した.その結果,ノネコおよびネコの餌動物は多くの分類群にわたっていた.林道においてノネコは,昆虫,哺乳類,鳥類および爬虫類を主要な餌資源としていることが推察され,集落においては,人工物および昆虫が主な餌資源となっていることが推察された.ノネコの餌動物には多くの在来の希少動物が含まれており,沖縄島固有種で国指定特別天然記念物であるノグチゲラ(Sapheopipo noguchii)をはじめ8種の希少種がノネコの糞より検出された.やんばる地域に生息するノネコおよび集落に生息しているネコは,沖縄島の生態系において陸棲動物のほとんどを捕食できる高次捕食者として位置づけられると考えられた.今後,やんぱる地域の生態系を維持するためには,ノネコの排除が必要であり,さらに供給源としての飼いネコの遺棄を防ぐ県民への啓蒙普及活動が不可欠である.The food habits of feral cats (Felis catus) roaming through forests and domestic cats in villages in the Yambaru area, northern part of Okinawa Island, Japan, and their impacts on indigenous animals were investigated by analyzing their faeces. The feral cats mainly prey on insects, mammals, birds and reptiles, while the domestic cats mainly eat food provided by humans and insects. Traces of threatened animals, such as the Okinawa Woodpecker (Sapheopipo noguchii) which is listed in the Red Data Book, were also found in the faeces of the feral cats. The feral cats are able to prey on almost any of the terrestrial animals in the ecosystem of Okinawa Island. To protect the wildlife in the Yambaru area from the feral cats we need to exclude feral cats and to appeal to local people not to abandon their pet cats.
- 2003-06-30
著者
-
小倉 剛
琉球大学農学部亜熱帯動物学講座
-
佐々木 健志
琉球大学資料館
-
川島 由次
琉球大学農学部亜熱帯動物学講座
-
小倉 剛
琉球大学農学部亜熱帯農林環境科学科
-
城ケ原 貴道
琉球大学農学部生産環境学科亜熱帯動物学講座
-
嵩原 建二
沖縄県立博物館
-
城ヶ原 貴通
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
川島 由次
琉球大学農学部畜産学科
-
小倉 剛
琉球大学農学部
-
小倉 剛
Laboratory Of Subtropical Zoology Faculty Of Agriculture University Of The Ryukyus
-
Ogura Go
Laboratory Of Subtropical Zoology Faculty Of Agriculture University Of The Ryukyus
-
岩原 建二
沖縄県立博物館
-
佐々木 健志
琉球大 資料館
-
Kawashima Yoshitsugu
Institute Of Physical And Chemical Research
-
Kawashima Yoshitsugu
Department Of Veterinary Anatomy Faculty Of Veterinary Medicine Hokkaido University:(present Address
-
川島 由次
琉球大学農学部
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