硬質レジン歯の色調変化に関する研究 : in vitroとin vivoにおける検討
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概要
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目的: 近年多用されている硬質レジン歯は, 症例により色調変化することが知られている. 本研究は硬質レジン歯の色調変化にかかわる要因を明らかにすることを目的とし, 技工操作, 口腔内環境, 義歯清掃法などについて, <I>in vitro</I>と<I>in vivo</I>の両面から検討した.<BR>方法: 4種の硬質レジン歯を用いて試料を製作した.<I>in vitro</I>では黄色色素, コーヒー水溶液と蒸留水中にそれぞれ3, 6, 12カ月間浸漬し, 表面粗さ, ビッカース硬さと色調変化を測定した. 臨床調査では, 42人の患者を対象に義歯装着後の色調変化や唾液に関する検査, 義歯清掃法等の問診を行った.<BR>結果: 1. 黄色色素への浸漬では, 表面粗さの大きい人工歯に顕著な色調変化が認められた. コーヒー水溶液ではすべての人工歯に顕著な色調変化が認められた. 表面粗さが小さく, ビッカース硬さが大きい人工歯は色調変化を生じにくい傾向にあった. 2. 臨床調査では, 義歯装着6カ月後に55%の症例が色差2以上を示した. 色調変化と大きく関連していた因子は, 義歯清掃法における歯磨剤の使用の有無であった.<BR>結論: 硬質レジン歯は表面粗さが大きく, 硬さの小さい人工歯が色調変化を生じやすい傾向にあった. また技工操作により, 色調変化を起こす可能性が示唆された. 硬質レジン歯の色調変化を防止するためには, 人工歯の機械的性質の向上と改善に加え, 技工操作における配慮と, 装着後の義歯の取扱いや清掃法などの患者指導が重要であると思われた.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2002-02-10
著者
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