歯間性構音の音響分析について
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概要
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「サ」行構音障害が認められる成人の歯間性構音者16名および正常構音者16名について, VCV音節からなる検査音“asa”の子音部 [s] のFFTによるパワースペクトログラム分析を行い, スペクトル包絡線で囲まれた部分の高域部 (4kHz〜8kHz) と低域部 (0kHz〜4kHz未満) の面積比を求め, 正常構音 [s] と歯間性構音 [θ] の音響学的相違について検討を行った結果, 以下の結論を得た.<BR>1. FFTによるスペクトル包絡線で囲まれた部分の高域部と低域部の面積比を求めることにより, 子音 [s] の正常構音群と歯間性構音群を分離でき, [s] 構音の特徴を客観的に評価することが可能となった.<BR>2. 正常構音 [s] では, 低域部に対する高域部の音声スペクトルの面積比が1.35以上であった.<BR>3. 歯間性構音 [θ] では, 低域部に対する高域部の音声スペクトルの面積比が1.30以下であった.
- 日本音声言語医学会の論文
- 1996-07-20