第75回総会特別講演
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概要
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ヒトの結核菌感染に対する免疫応答と結核の発病ヒトにおいて, 結核菌感染から直ぐの発病は5%である。免疫系が未成熟の乳幼児の結核発病によく見られる。また, HIV感染に伴って, 内因性再燃による結核の発病が起こりやすい。これらの事実からも, ヒトにおける結核感染から発病に, 防御免疫が存在することは確かである。ではその結核における防御免疫とは何か。<BR>ツベルクリン反応 (ッ反) 陽性および陰性の健康接触者, 長期にわたる健康既感染者, 治療中の結核患者, これらの個体のッ反の推移や末梢血を用いて結核菌抗原特異的刺激によるリンパ球幼若化反応や, サイトカイン産生等の免疫学的解析を行った。その結果, ッ反の成績よりも, IFN-γ 活性が宿主の抗結核防御免疫能とよく相関した。結核発病者ではIFN-γ 活性は低く, 逆にTGF-β, IL-10の抑制性サイトカイン活性が強く見られた。化学療法の結果, IFN-γ 活性は回復した。結核患者に見られたIFN-γ 活性の低下は, (1) 抑制性サイトカインによる産生のブロック, (2) アポトーシスの亢進による産生T細胞 (CD4+, CD4-) の減少に起因することが示唆された。<BR>これらの結果から, 末梢血細胞からのIFN-γ 産生能が当面, ワクチンの効果判定等での最も良い防御免疫のマーカーとなり得ると考える。一方, われわれの成績は, M. vaccaeやIL-2を投与することによりIFN昭γ産生を誘導したり, IFN-γ を直接吸入することが, 結核の免疫療法として効果が期待され得ることを支持している。
- 2001-02-15
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