モルモットの蝸牛マイクロホン電位記録上の遅延反応に関する実験的研究
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概要
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蝸牛マイクロホン電位 (CM) に追随して認められる遅延反応について, モルモットを用いて検討した. 遅延反応は中音域の弱い刺激音圧に対して観察され, 入出力曲線は飽和しCMのそれと交叉した. 酸素欠乏において, 遅延反応はCMよりも敏感に変化した. ILO88を用いた誘発耳音響放射 (EOAE) のエコー・パワーも酸素欠乏で減少し, 酸素の供給により回復した. EOAEは外有毛細胞の伸縮と連繋した蝸牛内微小機械系振動に関係のある音響現象と考えられている. 本研究結果は遅延反応がEOAEに対応する電気現象であることを示した. 遅延反応とEOAEは蝸牛機能の電気的および音響的指標として他覚的検査に応用できる.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
- 1996-01-20