<マイクロマシンの応用> マイクロコンポーネントの試作例
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概要
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筆者らは, 多結晶シリコンを構造材とする櫛形アクチュエータと電気めっき法による金属を構造材とするモータの二つのマイクロコンポーネンツの試作, 実験を行ってきた.以下にそれらの試作に関して報告するものである.<BR>まず, 多結晶シリコンを構造材とする櫛形アクチュエータでは, 印加電圧の低減を目指し, 酸化マイクロマシニング, ポストリース・ポジショニングと呼ばれる二つの手法を提案した.試作された共振型櫛形アクチュエータの電極間ギャップは0.3 [μm] で, 印加電圧11.5 [V] 時に±5.2 [μm] の共振振幅を記録した.非共振型櫛形アクチュエータは11.1 [V] 印加時に3.6 [μm] の変位を静的に実現した.同時に変位と印加電圧の自乗との間のリニアな関係も観測した.<BR>次に, 多結晶シリコンに比べて厚い構造が可能な電気めっき法により形成されたニッケルを構造材とするモータでは, 歩留まりの向上・摩擦の低減を目指し, シリコン基板を犠牲層として等方的なドライエッチングによりリリースし, 針状のベアリングの形成する手法を提案した.試作されたモータは10, 000 [rpm] を越える高速回転を実現した.
- 社団法人 日本ロボット学会の論文
- 1994-05-15