抗炎症薬β-グリシルリチン酸のカチオン型誘導体の界面化学的物性
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概要
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抗炎症薬β-グリシルリチン酸の20位メチルエステル (GMe) のグルクロン酸部を2- (N-エチル-, N-ブチル-, N-ベンジル-N, N-ジメチルアンモニオ) エチルアミンで修飾してGMeのカチオン性類縁体 (CGR; R=Et, Bu, Bn) に変換した。それらの臨界ミセル濃度 (cmc) は, 0.4〜0.7mMの範囲にあり, 検討した5〜9のpH領域では, 本質的にpHには無関係であり, GMeのcmc (0.3mM, pH 5〜7.4) に近かった。水から1-オクタノール相へのCGR類の移行率 (%) は, 中性以上のpHでGMeやグリシルリチン酸 (GL) の移行率よりはるかに高く, CGBu (55) >CGBn (20) >CGEt (15) >GMe (10) >GL (0) の順であった。更にCGR類は膜に大きな損害を与えないで, DPPCベシクルに内包されたカルボキシフルオレセイン (CF) の透過を促進させることもわかった。CFの透過機構を示差走査熱量計, 光散乱, 透過型電子顕微鏡を用いても検討した。
- 社団法人 日本油化学会の論文
- 1999-11-20
著者
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