リウマチ性疾患と間質性肺炎
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
リウマチ性疾患において,間質性肺炎の出現の有無とその種類は,臨床経過・予後に関与している.リウマチ性間質性肺炎の診断上の問題点,臨床病理組織学的病変の多様性,病理組織所見と検査所見(CT, BALF細胞所見)との関連性,治療方針決定と経過・予後との関連性について記載した.個々の病理細織所見のみに限定した場合,リウマチ性間質性肺炎と特発性間質性肺炎の間に大きな違いはない.しかし,経過・予後を比較した場合,同じUIP病変でも,リウマチ性間質性肺炎の予後は特発性間質性肺炎に比較して良好である.一方, NSIP/BOOPでは,特発性間質性肺炎の方がリウマチ性間質性肺炎より予後が良好なようである.治療に関しては,肺外病変,関節病変に対する対応とは異なり,ステロイド薬を中心とする病態療法,対症療法としての酸素療法を,原疾患の種類,また,病勢と病期によっていかに適切に行うかが当面の課題となる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
- 2000-04-10