液と同密度の粗粒子を含む均一懸濁液の撹拌動力
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概要
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固体粒子が槽内で均一に懸濁した均一懸濁液の撹拌動力特性は, これまで大きく二つのパターンに分けて検討されてきた.一つは, 懸濁粒子の平均径が0.42mm以下のような微粒子懸濁液の場合である (Endo, 1956 ;Nagata, 1975).この場合, 液中の粒子体積濃度が15 vol%以下のとき, 撹拌動力は液に対する撹拌動力推算式において, 液密度の代わりに懸濁液の平均密度を代入することによりほぼ推算できる.これに対し, より粒子径の大きな粗粒子を含む懸濁液の場合には, 撹拌動力は上記の方法による推算値よりも大きな値となる (Kagaku Kogaku Kyokai (ed.), 1988).この原因の一つとしては, 粒子径の増大につれて, 粒子と撹拌翼面との衝突による抵抗が大きくなることが指摘されている.一方, 著者ら (Takase, <I>et al</I>., 1992) は, 均一懸濁状態の撹拌槽内での湿式造粒において, 平均造粒粒子径が0, 5mmを超えるようになると, 造粒粒子径の増大につれての撹拌動力の増大傾向が顕著になることを示した.このように, 均一粗粒子懸濁液の撹拌においては, 粒子の懸濁条件の違いが撹拌動力に大きく影響を与えることが指摘されているが, これまで両者の関係についての詳細な検討はほとんど行われていない.<BR>本研究では, 均一粗粒子懸濁液の撹拌動力特性についての基礎研究として, 密度が液密度に等しく, 平均粒子径が0.46〜2.19mmである粗粒子を含む懸濁液を撹拌槽内で撹拌し, その撹拌動力に及ぼす, 懸濁粒子の粒子径分布, 液中における粒子体積分率および撹拌速度の影響について検討した.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 1996-07-10
著者
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